[CEATEC] DOLCE(ドルチェ)に見るVeilView液晶

いまさらながらDOLCEの話である.
そもそもいまさらCEATECの話だから仕方が無い.
以前から書きたかったことなので,鮮度が悪くても気にせず書くだけ書いてみたいと思う.
今回書きたいのはシャープのドコモ用携帯電話,DOLCE(ドルチェ)に採用されたVeilView(ベールビュー)液晶についてである.

去年の夏にシャープが発表した「デュアルビュー液晶」という技術を発表した.
リンク先の記事を見てもらえば分かるが,これは斜めから画面を見たとき,左右で異なる映像を見えることができるものだ.
そして同時に「ベールビュー液晶」というスイッチ1つで視野角を狭くする技術も発表した.
視野角を狭くすると言うのは,ある方向に対して映像の変わりに別の絵を見せるようにすれば良いので,
デュアルビュー液晶の技術を応用する事で,ベールビュー液晶ができている気がする.
ともかく,このように液晶の見る角度に絡んだ技術が発表された訳だ.
発表当時デュアルビュー液晶の用途例としてカーナビが挙げられていた.
運転席側からはカーナビで,助手席側からはDVDが見られるというようなもので,
こんな機能はドライバーが納得しないのでは?と思い,この液晶の必要性を疑った.
このようなカーナビのCMを見る現在でもその疑問はなくなってはいない.
しかし後日発表されたドルチェにこの液晶が搭載され,この技術の必要性を感じることとなった.
(正確にはドルチェに搭載されたのはデュアルビュー液晶ではなくベールビュー液晶であるが,
先の様な考えから同じようなものとして受け取っている.)
昨年行ったCEATECでドルチェの実機があり,ベールビュー液晶の様子を取ってきた.

ベールビュー液晶
ドルチェのベールビュー(QT動画,1.6MB)
※クリックで別窓再生,音が出ます

反射してよく分からないかもしれませんが,横から覗き込んだとき正面から見たものとは別の映像が見えます.
左から見たときに若干分かりますが,このときの表示パターンは

「苦労して得た幸福は2倍味わい深い。何があろうとも人生は素晴らしい。生き抜く価値があるものだ」

とイタリア語でかかれたもの.(ITmediaの記事参照)
技術発表から製品への応用が早い事もそうだが,当初その技術に疑問を抱いていた私にとって,
この利用方向は考えていなかったため,ドルチェでのベールビュー搭載は驚きだった.
この利用方法は利便性に富み,素晴らしいと思う.
液晶画面全般に対して,視野角が狭い,広いといった評価の話を良く聞く.
それは携帯電話の画面においても違いはなく,恐らく液晶画面の視野角の広さを求めての発言だと思われる.
しかし,電車内などで携帯電話を使っている人を使っている人を見ると,覗き見防止のシールを貼っている人を多く見かける.
予てから私は広い視野角を求めながら,自ら視野角を狭くしているという矛盾が納得できなかった.
もちろん広い視野角を求める人と覗き見防止シールを張る人たちが同じ人ではないのかもしれないが….
ドルチェにベールビューが搭載されたことは非常に素晴らしい.
最新技術が搭載されたということもさることながら,ソフトウェアで視野角を変更できる事が画期的だと思う.
と言うのも,相反するニーズに完全に対応しているからだ.
もともとの広い視野角を求めている人はそのまま使い,覗き見を防ぎたい人はスイッチ1つでベールビューを起動させればよい.
広い視野角を求めながら,覗き見防止の観点からやむを得ずシールを貼っていた人にとっては嬉しい限りだと思う.
そこまで考えていなくても,通常は覗き見を防ぎ,携帯で撮った写真を人に見せる場合は広い視野角が欲しいと言う人は多いはずだ.
シールの場合,その都度取り外しをすると言う事は現実的ではないが,
それがスイッチ1つで切り替えが可能となれば非常に便利だろう.
CEATECでドルチェの実機を見てきたが,サイドからは完全に見ることはできなかった.
購入を決定付けるほどの機能であるかわからないが,この機能を求める人は多いのではないだろうか.
決まりかけている所への後押しとしては十分な機能だと思う.
SH902iにもこの機能は搭載されているので,
今後もシャープの端末には搭載されていく機能となるかもしれない.
広視野角と覗き見防止.
この2つの願いを同時に叶えてくれるベールビュー液晶.
今後も期待です.
やっぱ液晶はシャープなんですかね?シャープの意地を感じます.
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