第10回 文化庁メディア芸術祭 其ノ壱 「雨刀」

日が経ってしまったが,先日東京都写真美術館で行われた文化庁メディア芸術祭へ行ってきた.
去年知り,行ってから,今年も絶対行こうと心に決めていたイベントだ.
なかなか日程が合わなかったが何とか最終日に駆け込む事が出来た.
見てきた作品の中で気になった物などをいくつか紹介していくつもりだ.
まず一回目として「雨刀(AMAGATANA)」を取り上げたいと思う.
カメラを持っていかなかったので写真は無いのが残念である.

まずは文化庁メディア芸術祭での評価.
エンターテインメント部門,奨励賞を受賞している.
この雨刀,どんなものかと言うと,棒状の物体に取り付けることを想定しており,
その棒を振ると,そのふり方に従って剣を振り回したような音を出すという代物.
実用を考えると街中で棒を振り回しているとすぐに通報されかねないので,傘を利用し
歩きながら音を出すのも迷惑だし恥ずかしさもあるので,音はヘッドホンから出せる仕組み.
雨上がりに傘を剣に見立てて振り回し,自分で「シャキーン,シャキーン」と言うのを
現実にしてしまったと言った方が早いかもしれない.
説明するよりもやはり見てもらった方が早いと言う事で下記リンクにある動画を見てもらいたい.
AMAGATANA|Yuichirock Fes.
文化庁メディア芸術祭のサイトでもムービーが見れますが,
上記サイトはオフィシャルだけあって解像度が良いです.
(このムービー,音楽も良いなー)
しっかりと見てこなかったのだが,
作者の方に話を伺ったところ,傘でなくても良いと言っていたので
センサーと音声出力を備えた物を取り付けるといった具合で各々の傘に対応すると思わる.
このような芸術展で目にするものは,何であれ発想の点では既に凄いのは言うまでもないが,
この雨刀,技術的にも凄いと思う.
恐らく加速度センサーで振りを認識しているのだと思われるが,
弱,中,強の3種類ある振りを見事に判別している.
また,振った時と音が出るまでの時間差も感じられない.
本当に振って,物に当たるなり,切るなりするタイミングで音が出ている.
この作品で重要であると思われる,傘の振り回しによる快感を存分に得るためには
振り切る前に音を出し始めないといけない訳だが,これって結構難しい事ではないだろうか?
しかし,雨刀はそれを可能にしている.
それ故に振り回していて心地良い.
振りが3種類あるが,それらを組み合わせた連続技が用意されているのがまた面白い.
 [壱の技] 小・小・小・小・小 → バゴーンっ!!
 [弐の技] 中・強 → ジャシーン!
 [参の技] 中・中・中 → バヒューン!
 [四の技] 強・強 → バズシャッ
 [五の技] 小・中・強・中・中・強 → ズドゴーン!!
雨刀,完成度が高し…
図々しくも個人的要望や,さらに付加する機能を挙げるとすれば,
現在西洋の剣を髣髴とさせる効果音だが,日本刀のような効果音が欲しいという事と,
ユーザーの好みに合わせて効果音を切り替えられたら面白いのではという事.
効果音切り替え機能に関しては,もはや剣の音ではないのを含めて,
笑えるような音もありかもしれない.
具体的な案はこれっぽっちも考えず勝手に言っているレベルだが….
現在の形でも十分なので,私としては商品化を望んで止まない.
関連エントリー
[文化庁メディア芸術祭]

コメント

タイトルとURLをコピーしました