東京ドームというものさし

earthhopperさんの所でGoogle Maps で面積を測る手法について説明があった.
それに関してはリンク先へ行ってください.
Google Areometer – Measure areas using Google Maps!
今回の本題はこの技術についてはなく,
そのエントリーで話されている「東京ドーム何個分」という表現について.
earthhopperさんの所では「東京ドーム何個分」と「東京ドーム何杯分」という表現について非常に面白い考察がされている.

「東京ドーム何個分」という表現には確かに分かりにくい例がある気がする.
数個分ならまだ想像できなくもないが,2桁まで行くともう想像の範疇を越える.
1桁でも「東京ドーム5個分」と言われた時のイメージは「あぁ,デカイな」という漠然としたものである.
私の場合は5個で既にこの印象だ.
釧路湿原が5635個分と言われた日には思考する気も起きないだろう.
ちなみにどんなものがあるかGoogleで検索してみた結果がこれである.
Google [東京ドーム 個分]
ざっと見ただけでも随分とあるもんだ.
さて,earthhopperさんのエントリーでも引用されているが解散宣言・「正しい日本語を守る会」さんの単位としての東京ドームの考察も非常に的を射ている.
上で私は数個分までで想像の限界だと言ったが,「正しい日本語を守る会」さんによればそもそも倍数にする時点で間違っているとの事だ.
もし東京ドームを比較に使いたいなら,

その「半分」とか「○分の1」と表現するのである。

なるほど.確かにこれなら途方もない想像をしなくて済む.
そして以下のように発展している.

こういった類には「大きいんだぞ」ということを強調してビックリさせたいという、地元のプライドがある。大きいことをアピールして観光客に来て欲しい。彼らにしてみれば、正確に大きさを把握してもらったって得はない。だから、100倍でも1,000倍でも良い。数字が大きくなる方が好都合なのだ。

つまり東京ドーム何個分で重要なのは(誰もが知っていて比較しやすい)東京ドームではなく何個分の方と言う事だ.
言ってしまえば大きさをアピールしたいだけで,端から相手に大きさをイメージしやすいように分かりやすく表現する気はないと言う事である.
釈然としないが,もしそうなら納得である.
「東京ドーム何個分」という表現を聞いたとき,特にイメージも膨らませず「あぁ,デカイな」と思っていたが,
それは向こうにとっては狙い通りだったと言う訳だ.
同様に「東京ドーム何杯分」という表現も「あぁ,多いな」と相手に思わせたいだけなんだろう.
東京ドームを見た事がない人にこの表現は分かりにくいのではないか?と思っていたが,
分からなくても問題なかったのだ.
なぜなら見た事ない人は手ごろな野球場を想像し,それのn個分を想像する.
そして行き着く先は結局同じ「あぁ,デカイな」となるからだ.
分かりにくい表現だと思ってた物が,実は意図的に分かりにくくした表現だったとは意外な結論になってしまった.
話は変わるが,CMなどで「ビタミンCがレモン何個分」とか「鉄分が通常の何倍」というのを見かけるが,
レモンの様にビタミンCが多く入っているとなんとなく分かるものはよいが,
時々その比較は正しいのか?と思うことがある.
言っていることは正しいのかもしれないが,比較元が間違ってるという事だ.
つまり,

アスパラガスにはにんじんの8倍のビタミンCが入ってる

と言われてもそもそもにんじんにビタミンがどれくらい入ってるのかぼんやりとでも分かってないと
アスパラガスが凄いのかどうか分からない.
しかし8倍と聞くとなんかたくさん入っている気がしてしまう.
同様に

このリンゴジュースは一般のリンゴジュースに比べて鉄分が5倍

と言われても,そもそもリンゴジュースは鉄を対して含んでいないものであったら意味がない.
別のもので鉄分を摂取した方がいい訳だ.
しかし5倍という言葉でたくさん入っている気になってしまう.
何個分,何杯分,何倍などという表現は基準となるもので容易に変化してしまう.
適切な基準かどうか見極めなければいけないと思う.

コメント

  1. nagoyan より:

    リンクとトラバどうもありがとうございます。
    こういうのは、まあ事実だけにhypeとは言い難いですが、でも相手にへぇ~って言わせたい気満々って感じですよねえ。
    他にも「●倍(当社比)」とか、いろいろありますよね・・・ちょろまかされないよう気をつけたいと思います(笑)

  2. earther より:

    確かにどれもウソではないんですよね.
    ただ,多いものをアピールするときに多いものを基準にするという暗黙の了解を裏切られた気がしてしまいます.
    一度「本当か?」と疑ってみる事も大切ですね.

  3. alpha より:

    この表現については、僕も前から色々と気になっていました。
    まず、一個分の大きさがパッと頭に浮かばないことです(野球には詳しくないもんで(笑))。
    「東京ドームの広さは46,755平方メートルである」
    と、されていますが。それがグラウンドの大きさなのか、観客席を含むのか、はたまた外周であるのかちょっと想像がつきませんでした。
    また、東京ドームが株式会社で運用されていることから、何倍と表現するたびに使用料をとられたりするのでは?それとも企業戦略?とか、NHKではこの表現は使えない?などと考えていました。
    野球場は場所によって面積が異なるので、「サッカーコート何面分」とか、「国立競技場の何倍」とかにしたら、色々と公平になりそうだなぁと日々思っています。

  4. earther より:

    以前は大きさの基準単位として甲子園球場や後楽園球場といった様々な単位があったのが,東京ドームができてからは容積の基準単位にもなる東京ドームで統一されるようになったそうです.(スポーツネタ参照)
    統一されただけに,東京ドームの宣伝効果は気になりますね.
    効果を狙って東京ドームが基準単位になるように働きかけたのでしょうかね?

  5. 124万立方メートル

    広さを表すのに「東京ドーム何個分」という表記をよく見かけるが、その基準になる東京ドームの面積は46,755平方メートルである。

タイトルとURLをコピーしました