うるう年とうるう秒

来年の元日は1秒だけ長い 7年ぶりに「うるう秒」|ITmedia
来年の元旦は「うるう秒」の調整により1秒長いそうです.

 調整は、2006年1月1日のJST午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「午前8時59分60秒」を挿入して行う。

1秒なんてそもそも得したとか感じるほどの長さではないですが,
この調整が行われている時間に私は寝てそうな気がするので,
何も意識することなく,いつのまにか1秒が加えられている事になるんじゃないかと思います.
さて,あまり聞き慣れない「うるう秒」ですが,なぜ1秒の調整なんかをするのでしょうか?
1日も増える,つまり1日もずれる「うるう年」は調整の必要を感じなくはないですが,1秒とは….
無駄に考えてみました.

まず「うるう年」ですが,4年に1度もしくは4で割れる年,といった印象ですが,厳密には違います.
現在の使われているグレゴリオ暦では「うるう年」は以下のように定められています.

1.西暦年が4で割り切れる年は閏年とする。
2.西暦年が4で割り切れる年のうち、100で割り切れる年は閏年としない。
3.西暦年が4で割り切れ、100でも割り切れる年のうち、400で割り切れる年は閏年とする。

なぜこのように複雑なのか.
実は1年は365日ですが,地球の公転周期の少し詳しい日数は365.2422日なんです.
この0.2422日という余りが4年に一回の2月29日になるのですが,4年に1回1日を増やすと今度は逆に足りなくなってしまいます.

0.2422 × 4 – 1 = -0.0312

つまり4年毎に0.03日足りなくなってしまい,これを補うために2つ目の規則,100で割り切れる年は閏年としないが出てくるわけです.

-0.0312 × 24 +0.2422 × 4 = -0.7488 + 0.9688 = 0.22

これにより100年での誤差は0.22日の余りということになります.
さらに公転周期に近づけるために3つ目の規則,400で割り切れる年は閏年とするを適用させて見ます.

0.22 × 3 – 0.0312 × 25 = 0.66 – 0.78 = -0.12

以上の規則によって400年に0.12日の誤差,すなわち2時間52分48秒の誤差に抑えられる訳です.
この残りの微妙な誤差の調整をしているのが「うるう秒」なのかと思ったら,
違いました
どうも「うるう秒」と「うるう年」は関係ないみたいです.
長々と書いてきましたが関係ありません.
たしかに0.12日足りてないんだから,秒を足しちゃ話が合わないですしね.
つまる所「うるう秒」はなんなのかと言うことについての解説はうるう秒に関するQ&Aに譲ります.
読んでみたんですがよく分かりませんでしたので….
ふと思ったのですが,「うるう年」はその年に1日増えるのに対して,「うるう秒」は1秒加える事を言いますよね.
呼び名と行為がずれてませんか?
「うるう年」に合わせるなら

2006年の1月1日は「うるう日」なので1秒長い

と言う言い方になりそうな気がするのですが….
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コメント

  1. #481213 万年七曜表

    ▲過去・未来のある日が何曜日であるかがわかる万年カレンダーを作りました。もっとも「万年」と言っても,今回のは1800年から2199までの500年分対応…

  2. Nishi より:

    はじめまして。TBさせていただきました。
    > 2006年の1月1日は「うるう日」なので1秒長い
    という表現に大賛成です!
    私は「うるう分」では?と考えていましたが,「他の日より1秒長い,うるう日」という方が語感が良いです。ぜひ浸透させたいですね。

  3. earther より:

    Nishiさん,TB&コメントありがとうございます.
    >私は「うるう分」では?
    言われて初めて気がつきました.
    話の中で単位が”秒”,”日”,”年”しか出てこなかったので
    “秒”の次に大きな”日”の単位を使って「うるう日」と呼んでしまいましたが,
    確かに”1つ上の単位”と考えると「うるう分」ですね.
    でも考えてみると,「うるう月」ではなく「うるう年」なんで,”1つ上の単位”という訳じゃないですね.
    と言う事で再考してみます.
    「うるう年」…追加される”日”と”年”の関係は以下の様になる.
    1”“追加され,追加されるのは2月.すなわち”月”の単位.
    そして2月がやってくる周期は1”“.
    これを「うるう秒」に置き換えると,
    1”“追加され,追加されるのは”時”の単位.
    (100秒かけて挿入されるので”分”ではないという考え)
    そして”時”(例えば8時)がやってくる周期は1″“.
    うるう日ですね
    再考してみた結果,この考えでは「うるう日」になりました.
    Nishiさんも語感が良いとの事ですので,改めて私は「うるう日」で行こうと思います.
    行く当てはありませんし,浸透しそうにないですが…w

  4. Nishi より:

    なるほど!やはり「うるう日」のほうが理にかなっているわけですね。
    あと,うるう秒は今まで加える一方でしたが,減る場合もないとは言えない筈。その場合「うるう秒をとる」という表現はなんとも変です。
    もはやこれだけ齟齬が出てきた以上,一刻も早く改めるべきですね!
    と,私も言うだけ言っておきます。

  5. earther より:

    「うるう秒」は自転の都合によるものですから,確かに1秒減らさないといけない時が来るかもしれませんね.
    「うるう秒」を取ると言う表現は変ですが,今回の「うるう日」は1秒減りますという表現も私としては違和感があります.
    なんて表現すればいいんでしょう?
    上手い表現が思いつかないので,1秒減らす必要に迫られないよう祈るばかりです.w
    どうも「うるう秒」は英語表記でも”秒”のようです.
    「うるう日」へ改めるのはなかなか困難の様子….
    Information of Leap second

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