乗鞍ヒルクライム プロローグ -長野へ-の続き
新宿からムーンライト信州に乗り込んだ私は4時12分頃塩尻に降り立った.
どうやら塩尻で降りたのは私だけだった様子.
普通の人にとっては4時に塩尻に下りる魅力はないのでもっともな話ではある.
しかし私には塩尻で降りる理由があった.
電車を降りるとなんと天気は雨.
出鼻をくじかれた感じだ.
凹んでても仕方がないので,日の出と共に止むだろうという根拠無き自信を持ち,
楽観的に考えながら,雨が上がるのを期待しつつ,だらだらと輪行を解く.
すると本当に日が出るにつれて雨が小降りになってきたではないか.
家から持ってきたおにぎりを食べながら更に待つと雨は完全に止んだ.
いよいよ出発だ.
—5時—
まず向かうは国道20号の終点.
これが私が塩尻で降りた理由なのだが,以前家から長野の方まで走った事があり,
その際の最終チェックポイントがこの国道20号の終点だった訳だ.
同じ場所で写真を撮り,接続完了.
![]() 前回の写真 | ![]() 今回の写真 |
つまり,この接続によって,家から畳平までのルートをつなげたかった訳です.
接続も完了し,ここから本格的に乗鞍を目指す事になる.
塩尻からのルート候補は2つ.
19号を通る松本経由とショートカットになりそうな波田駅に抜ける県道25号だ.
松本へは帰りに寄るつもりなのでショートカットコースを選択.
県道25号へはアップダウンがあるが交通量は少なく走りやすかった.
途中再び雨が降ったりもしたが進むと路面が濡れていない所もあり,
雨は時間的なものではなく場所的なものだったようだ.
国道158号に合流したあたりでロードレーサーに抜かれる.
乗鞍ヒルクライムの練習だったのだろうか?
このあたりからわずかながら確実な登りメインの道となる.
とりあえず最終コンビニを次の休憩ポイントとし目指して進み,
予めGoogleローカルで調べたとおり新島々近くにあるセブンイレブンへ着く. —7時半—
Googleローカルでは更に先にサークルKがあるはずだったが,
念のため近くにいたトラックの運転手に尋ねたところ,
セブンイレブンがラストコンビニと言われ,最後の食料調達をする.
実際国道沿いでサークルKを発見できなかったので,行く人は注意して欲しい.
休みつつ明日上ろうとしている乗鞍の方に目をやり高さに見入る.
![セブンイレブンより乗鞍を望む](http://shiryog.xvs.jp/wp-content/uploads/2005/1223c-thumb.jpg)
乗鞍は高い
セブンイレブンを出た後は次なるチェックポイント,道の駅「風穴の里」を目指す.
傾斜は徐々にきつくなり,それにつれて徐々にシフトを下げていく.
遂に耐え兼ねてフロントをインナーに落としたその時,
バチンと明らかに何かが起こった音がした.
ろくにメンテをしていないこともあり,インナーに落とすときはいつも渋いが今回はちょっとおかしい.
シフターを上げ下げして見るがどうも効いてない.
手応え的にどうもワイヤーが繋がっていない様子.
そう言えばチェーンの好感のときに見たらワイヤーが数本切れてたっけ….
耐え切れず全部切れたのかも….
これからどうしよう.
でもインナーに入りっぱなしなら乗鞍へ上れないことはないな.
でも下りで漕ぎまくってスピードを出す事は出来ないな.
折角そのためにチェーン交換までしたのに….
と言う事が一瞬のうちに頭を駆け巡った.
ともかく降りて確認しようと適当な所に止まって見てみると,
幸運な事にワイヤーは切れてはいなかった.
ワイヤーの締めが甘くシフトダウンの衝撃で外れただけのようだ.
プライヤーを持ってき忘れたことに一瞬焦ったが,
特に必要もなく再びワイヤーを張り今度はしっかりと締めた.
そんなトラブルもありながらやっと道の駅に到着. —9時—
![道の駅「風穴の里」](http://shiryog.xvs.jp/wp-content/uploads/2005/1223d-thumb.jpg)
道の駅「風穴の里」外観
道の駅ではエネルギーと水分を補給.
食料と水分の調達もする.
ちなみに水分は粉アクエリアスを持って行き,先々の水でアクエリアスを作って飲んだ.
この手法は安いし濃さを調節できるのでオススメである.
道の駅までののぼりで結構へばってしまった私が眺めの休憩を取っていると
クサカベさんという1人のランドナー乗りに出会った.
話してみると私と同じく,今日乗鞍ユースホステル(YH)に泊まると言う.
しかも白樺峠を通って….
じゃぁまた合いますね,なんて言い分かれたがすぐに再開した.
その後も抜きつ抜かれつ,結局は一緒にユースへ着き,翌日も行動を共にする事になるが,
それはまた別の話.
道の駅の先も依然として上り坂.
途中白樺峠行きを止めにしようかとも考えた.
今日の目的地である乗鞍高原YHへのルートは2つあり,別に白樺峠を超えていかなくてもいい.
多くの人は峠を越えない普通の道を通り,そっちから行っても別にYHへは着ける.
例え白樺峠を超えられてもメインである翌日の畳平アタックに支障をきたしては意味がない.
しかし158号を順当に言っても面白くないし,逆に時間が余りそうだ.
ゆっくり白樺峠へ上っても大丈夫なように深夜快速を使った事もあるし,
一緒に白樺峠へ行く人もいる.
悩んだ末,白樺峠へ行くことにしたが,今となっては正しい判断だったと思う.
そして分岐点へついた.
私は白樺峠へ向かうので関係ないが,ツーマにはトンネル内分岐と書かれている通り,
実際にトンネル内に分岐があり,右折には注意が必要だ.
しかし拡大した地図を見てもらえば分るように実はトンネル外でも158号と県道26号は繋がっている.
![トンネル外のルート](http://shiryog.xvs.jp/wp-content/uploads/2005/1223e-thumb.jpg)
奥に見えるのが158号,26号上から撮影
158号へ進む場合もトンネル内を道なりに進み,トンネルを出た後158号に戻った方が安全なので,
面倒でなければ,自転車の場合無理をしないでこちらのルートで行く事を勧める.
県道26号へ入った所でほぼ後戻りは不可能になった.
きつくても白樺峠を超えて行くしかない.
林道の入り口までも既にしっかりと上っており,休憩を挟みつつ進む.
そして入り口に到着. —10時40分—
林道の入り口には商店があったが買うものはないのですスルー.
ちなみに白樺峠まではここが最後の携行食料調達地点となる.
![林道入口](http://shiryog.xvs.jp/wp-content/uploads/2005/1223f-thumb.jpg)
スーパー林道入口,右手が商店
林道に入りますます傾斜がきつくなる.
入って暫く進んだ所に蕎麦屋があった.
先ほど道の駅で会ったクサカベさんがここで昼食を取っていくというので,
この先商店や食事所もなさそうだし私も食べていく事にした.
蕎麦屋では山菜そばを注文.
中に入っている山菜に甘いものがありちょっと驚く.
味の感想は,山菜そばだからか”いまいち”と言った所.
次回があったらざるそばを食べてみたいと思った.
![]() 蕎麦屋外観 | ![]() 食べた山菜そば |
食事を終え,再び坂を登り始める. —12時—
すぐ先に料金所があり,林道に入ったと言った感じがます.
ちなみにこの上高地乗鞍林道,自転車は無料で通行する事が出来る.
自転車通行不可の有料道路もあるだけに,通れるだけでもありがたいが,
無料なら通るしかないと言うもんだ.
料金所の人に挨拶をしつつ通過.
ここから白樺峠まではほんとに長く感じた.
地図では距離を良く読み取れないこともあり,目標が取り辛い.
10km毎休もうかと思っていたが,疲れて10km進まずして休みたくなる.
だんだんと休憩間隔が短くなる.
いつになったら白樺峠に着くのか?
こんなんで明日畳平へたどり着けるのか?
それにここで体力を使ってしまって,明日は大丈夫なのか?
徐々に不安や疑問が出てくる.
地図とメーターの読みでは着いても良さそうなのになかなか着かない中少しずつ進んでいく.
そして,やっとの思いで白樺峠へ着いたのである. —14時—
峠にはちょっとした駐車場があり,そこに自転車を止め展望台まで歩く.
行って見たが,私たち以外は誰もいなかった.
展望台と言うだけあ_視界は開けていて良かった.
展望台のプレートに野鳥の解説がされているのに鳥を見る事が出来なかったのは残念だったが….
![]() 唯一ある標高表示で撮影 | ![]() 展望台から下を見下ろす |
乗鞍岳を見上げては今より高い所へ上るんだと思い,
それにも関わらずこれから下る事を恨むも,
下れる喜びを感じたりしながら峠を後にしました.
上りで苦しめられた分,爽快に下りたかったのだが,
カーブが多かったりで思うようにスピードが乗らない.
途中上り坂もまぎれていて,正直微妙な道のり.
雨も降ってきたりで気持ちの方が下り坂.(ウマイ)
とっとと進みたい一心途中あったソフトクリーム(おそらく一ノ瀬園地)もスルーしてしまった.
雨は駐車場(県道84号と合流地点辺り)で土砂降りになり,
ユースホステルまで持たなかったか…,と思っていたら,
そこから数100m先では雨が降った後もなく,どうやら雨は局所的なものだったらしい.
朝の雨の降り具合といい,乗鞍高原での雨といい,
雨が降ったり止んだりすると言うよりは,場所によって降ったり降らなかったりしているようだた.
YHへは16時ごろに到着.
YHへ着くと1台のチャリが….
もう一人チャリダーがいると分り嬉しくなる.
結局この日YHに泊まったチャリダーは3人で,部屋も同じく,明日の畳平へ向けての話などをした.
私以外の2人は畳平から高山へ抜けると言う事で,高山で同じ宿に泊まる事にしたらしい.
こんな旅先での出会いがあるからYHはいいと改めて感じた.
その日はYHの温泉で疲れを癒し,就寝.
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